RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語(T・ジョイ大泉)

予告編を見ていて気になっていた映画.運転士になる経緯は少々安易で,ストーリーや演出も感動大作というわけではない.しかし,その「普通さ」がよく,映画全体を通して,真に豊かな人生とは何か?ということを考えさせてくれる.
映像はとにかく素晴らしく,一畑電車島根県の素晴らしさを感じさせてくれる.最後に流れる松任谷由実の「ダンスのように抱き寄せたい」もこの映画に合っている.
主演の中井貴一のしっとりした演技は「風のガーデン」を思い出させる.また,同期の工場長役の遠藤憲一一畑電車車両課長の渡辺哲も渋い演技で実力を発揮している.本仮屋ユイカは演技はそれほどではないけど,その透明さがものすごく魅力的である.
私はこの映画は凄い良いと思ったが,あんまり人気がありそうには思えない.もしかすると,良さがわかるのは,ある程度歳を取って,自分の人生を振り返ることが多くなった世代なのかもしれない.