第14回酒べ会 〜お燗酒を料理と楽しむ〜(東伏見・居酒家べっしゃん)

今回は武蔵関・大塚屋の横山京子さんを迎えての「お燗酒」をテーマとした酒べ会.「ベタベタして甘く飲みにくい」,「臭い,ケバい」,「悪酔いして翌日は確実に二日酔い」という悲惨な日本酒体験を持つ人が多く,それが日本酒嫌いを量産してきたわけだ.しかし,完全発酵させた純米酒を,暖めて少しづつ飲めば,このようなことは起こらない.
今回は,京子さんによる日本酒の体に優しい飲み方や,食中酒に関する説明から始まった.特に,体内のアルコールの分解は体温から始まるそうで,冷たいお酒で悪酔い・二日酔いするのは,口当たりが良く飲むペースが早くなりがちなわりには,体内の分解が遅れるからだそうで,よく悪酔い・二日酔いする人は覚えておいた方がよいだろう.
なお,今回は人数が増えたので「べっしゃん」ではなく,別府氏の両親が所有する,すぐ近くのカラオケルームでの開催だった.
この日の料理は以下の通り.

  • 牡蠣の佃煮風

  • 豆乳鍋→リゾット.牛乳も加えると滑らかな味になるとか.



この日のお酒は以下の通り.

  1. 白隠正宗 純米大吟醸 山廃雄町(45%) 静岡酵母NEW-5 日本酒度+4 酸度1.5 アルコール度16〜17度 21BY 製造年月22年4月(静岡・高嶋酒造株式会社)
  2. 羽前白梅 純米酒 原酒 無炭素 生詰 美山錦(50%) 協会9号 日本酒度+4 酸度1.3 アルコール度16〜17度 21BY 製造月日23年1月(山形・羽根田酒造株式会社)
  3. 秋鹿 霙もよう 純米吟醸活性にごり生原酒 能勢山田錦(60%) 901号 日本酒度+9 酸度2.0 アミノ酸度1.3 アルコール度18〜19度 22BY 製造年月22年12月(大阪・秋鹿酒造有限会社)
  4. 扶桑鶴 純米吟醸 佐香錦 島根県産佐香錦(55%) 協会9号 日本酒度+6.0 酸度1.5 アミノ酸度1.3 アルコール度15.5度 20BY 製造年月23年2月(島根・株式会社桑原酒場)
  5. 奥 熟 純米吟醸酒 夢山水十割 仕込第28号 (60%) 自家培養酵母 アルコール度18.5度 2008BY(20BY) 製造年月2011年2月(愛知・山崎合資会社
  6. 旭菊 純米酒 六号 夢一献(65%) 協会6号 日本酒度+5 酸度1.6 アルコール度15.4度 21BY 製造年月23年2月(福岡・旭菊酒造株式会社)
  7. 辨天娘 純米 玉栄 9番娘 若桜町高野産契約栽培玉栄(70%) 601号 日本酒度+10 酸度1.8 アルコール度15.3度 H20BY 製造年月23年1月(鳥取・有限会社太田酒造場)
  8. 生酛のどぶ 生酛純米 仕込18号 山田錦アキツホ(65%) 7号 日本酒度+17 酸度2.6 アルコール度15.0度 21BY 製造年月22年12月(奈良・株式会社久保本家酒造)
  9. 玉川 自然仕込 生酛純米酒 五百万石(77%) 蔵付酵母 日本酒度+9 酸度1.9 アルコール度15.5度 20BY 製造年月2011年1月(京都・木下酒造有限会社)
  10. いづみ橋 茜 海老名産亀の尾 袋搾り 海老名産亀の尾(麹米:50%,掛米:65%) 901号 日本酒度+7 酸度1.8 アルコール度16〜17度 21BY 製造年月2010年5月(神奈川・泉橋酒造株式会社)
  11. 天遊琳 秘蔵純米酒 2003年度醸造 伊勢錦(60%) MK-1号 日本酒度+5 酸度1.8 アルコール度16度 製造年月2011年2月(三重・株式会社タカハシ酒造)

このリストを見て,「えっ???」と思った人はかなりの大塚屋マニアである.というのは,京子さん一押しの竹鶴も日置桜もないのである.京子さんに問いただしてみると,「今回はdancyuを真似してみました」ということだそうで,2本を除けばdancyuの日本酒特集に掲載されているそうだ(笑)全体的にバランスが取れていて,いろいろなお酒を味わえた点で,結構よかったと思う.
今回人気があったのは,白隠正宗,秋鹿,玉川,天遊琳だったそうだ.特に秋鹿は一升瓶が空になるくらいの人気だったところからすると,濁り酒のお燗というのは,やはり人気があるようだ.また,隣のあまり日本酒を呑み慣れていないと思われる女性が天遊琳の古酒を好きだと言っていたように,まっとうな日本酒のお燗というのは思った以上に「普通の人」に受け入れられるのがわかる.
なお,別府氏の発砲濁り酒の開け方は錐で穴を開けて,上に湯のみをかぶせるというスタイルだった.人によっていろいろ違うのが面白い.

今回の酒べ会については,べっしゃんブログ大塚屋ブログでも報告されているので,興味がある人は見てみよう.別府氏,京子さん,どうもごくろうさまでした.