くいもんや 華音(はなおと)(静岡市葵区両替町)
出張帰りにわざわざ実家に寄った理由は,新潟の一酒庵から「華音」に寄るようにという極秘指令が下ったからである.約束の8時の少し前に到着すると,すでに入口に貸切のお知らせが貼られていた.
実は,この日は久保本家酒造の加藤杜氏と小森谷氏,「白隠正宗」の高嶋酒造の高嶋蔵元という豪華メンバーが集まっていたのである!特にどぶレンジャーでありながら,今年の東京の集会に出張が重なって参加できなかったことが非常に残念だったのだが,これで今年も無事総統に挨拶することができた.
この写真に写っている以外にも,ライターの山本洋子さん夫妻や,静岡の「うず」,沼津の「くいもんや 一歩」,「丸茂芹沢酒店」(なお,9/25に「静岡地酒試飲会 in 沼津」という面白そうなイベントをやるそうだ)など,静岡の名だたる店主が集合していて,非常に濃い会であった.なお,この日のまともな情報は,本家の方を見て頂きたい.
用意されたお酒と仕込み水は以下の通り.その量に,「うそっ!」と叫びたくなってしまった(笑)
加藤杜氏による「食を楽しくさせるのが酒」なので,料理を楽しもうという挨拶の後に,どぶソーダで乾杯して,酒宴が始まった.その後は,まだ若いということで75℃にお燗されたどぶなど,とにかく日本酒を呑みまくった.
この日出された料理は以下の通り.なお,小森谷氏は来店早々に今日のメニューを詳しく聞いていて,料理と日本酒を合わせることに余念がなかったようだ.
- 失念.じんわり美味しい,なかなか気に入った一品.(追記:たっぱさんにコメントで教えて頂いたが,中国産の干し豆腐らしい)
- 鶏肝の醤油煮 粒マスタードあえ
- 刺身盛り合わせ
- つぶ貝
- 稚鮎の開きの炙り.これがとにかく美味いこと,美味いこと.絶品!
- 海老焼
- 味噌チーズグラタン
- いろいろポテトの酒盗バター
- 牛肉の叩きの酒粕漬け.これも絶品だった.
- 中華料理各種
- 「上原先生はいい酒の造り方を知らない」(加藤杜氏).加藤杜氏は,上原先生と「こういうことをすると失敗する」,「こうすれば手直しできる」というような話(いわゆる「バッドノウハウ」)は山のようにしたそうだが,「こうすればいい酒ができる」という話はほとんどしなかったそうだ.私見では,結局酒造りに王道はなく,膨大な経験に裏付けられて酒造りに人知を尽くして,天命を待った結果できるものが,よい酒なのかもしれない.
- 「酒の会はやればいい」(「うず」の吉村氏).地元を盛り上げるためには,とにかく酒の会を開催するのが重要だという話だった.実際に彼らチームクマグスには東京からも参加したいようなイベントが多く,なかなかアクティブな人だった.
これがこの日の兵どもが夢の跡だ.若干残っていたのは,高嶋氏を始めとする静岡メンバーは会の前に「小だるま亭」でかなり呑んで来たからである.ものすごい楽しい会だった.教えて頂いた一酒庵様,美味しい日本酒を造ってくれた久保本家酒造と高嶋酒造の方々,そしてこの日知り合った多くの人達に感謝したい.
なお,私は終電で帰宅するはずが,調子に乗って結局最後まで呑んでいて,静岡駅前にたどり着いたのが4時頃と中途半端だったので,そのまま駅前のベンチで爆睡(爆)なんとか帰宅してから出社したものの,しばらく使い物にならず,そのしわ寄せで,この後数日はとんでもないスケジュールで働くことになったのは,また別のお話であるorz