蟲師&舞台挨拶(新宿ミラノ1)
「蟲師」を見に行ってきた.
この映画を撮影するために,日本の奥地を回ってきたというだけあって,その映像美は素晴らしい.これから見に行く人は,音響設備のしっかりしている映画館を選ぶべきだ…というのは,音も非常に凝っていて,小鳥のさえずりなど,自然の音が入っているからだ.原作者の漆原友紀が言うように,「蟲が実在する美しい日本」が映像化されているのは確かだ.
ギンコを演じたオダギリジョーはやはりはまり役.原作でギンコの特徴だったくわえ煙草はしなかったのが残念だが,これは台詞を喋らなければいけないからだろう.
ただし,オダギリジョーや蒼井優が言っていたように,原作のストーリーが大幅に変更されている.ここが,原作に非常に忠実に描いて高い評価を得たアニメーションと大きく違う点だ.特に,漆原友紀の世界は,蟲を中心とした世界観だけでなく,登場人物の間の心理的交流を見事に描き出すことによって成り立っているが,映画では後者の部分が欠落している.
たとえば,代々蟲封じの話を書き写すことで体内の禁種の蟲を書物に封じる役目の淡幽は,蟲を呼び寄せる体質のために一箇所に留まれないギンコと正反対なのだが,淡幽がその想いを禁種の蟲をすべて封じ終えた未来の夢として語る非常に印象的なシーンがあるが,この映画ではどんな風になったかに注意して見るとよい.オダギリジョーと蒼井優という最高の組み合わせなので,脚本さえ良ければもの凄い感動的なシーンになったと思うのだが…でも,映画の「どろろ」より10倍はましかな(苦笑)
最後に,「生」蒼井優を見てきましたっ!…と言いたいけど,当選した席が後ろ過ぎて,顔がよくわからなかったんだけどね(爆)さすがに,今回はYahoo! Japanライブトークのように街で会ったら声を掛けて感想を聞かせてくださいとは言わなかった…さすがにあれはマネージャーから注意されたに違いない.