お燗のつけ加減の見分け方

この前「井のなか」で工藤氏の見分け方を教えてもらってから,いろいろ調べてみた.人によって違うのが面白い.

温度計を使う.

これが一番基本的だけど,面倒くさいので,そのうちやらなくなってしまう人も多いようだ.

手で温度を測る.

徳利やチロリの底を触って温度を見るというもの.慣れてくると,これでも結構判断できる.

時間で決める.

これはほとんどが電子レンジを使ってお燗するときの見分け方だろう.ただ,電子レンジでは,温度むらが起こりやすいのと,首の部分が非常に熱くなる(これは電子レンジのマイクロ波が細い部分に集中するからで「エッジランナウェイ」と呼ぶらしい.某店員曰く「熱燗…それは静かな凶器です」らしい)という問題がある.そこで首にアルミホイルを巻いたり(ただし,電子レンジによってはやってはいけないらしい),二本徳利を用意して飲む前に移し変えたり,ガラス棒を入れるとよいらしい.どういう徳利を選んだらいいかは,月桂冠が研究しているので,それを読んで電子レンジ燗に向いた形状の徳利を選ぶといいかもしれない.なお,月桂冠や「匠の蔵」の電子レンジ専用徳利(上下の温度差は前者は10℃以内,後者は4℃以内)も売っているようだ.後者はちょっと欲しいかも.他に片口でお燗するのもよい.

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煮増えの度合いを見る.

お燗すると量が増えるということを知っている人は多いだろうが,お燗番の中にはその液面の変化(「煮増え」と呼ぶ)でお燗具合を知る人もいるらしい.

匂いを嗅ぐ.

これが「井のなか」の工藤氏の方法.温度の上昇度合いによって匂いが大きく変わるので,これは結構よい方法だと思う.しかし,自分でお燗するときには,そこまで細かくはやらないんだけど.

試飲する.

「松の屋」のるみちゃんはこの方法と手で温度を測る方法を組み合わせているらしい.確かにこれが趣味と実益(笑)を兼ねた最終兵器だと思うし,自宅でお燗器を使うときには,少しづつ飲むことで味の変化を楽しめて面白い.なお,るみちゃんが試飲することを,私はこっそり「天使の分け前」と呼んでいる(爆).