いちべえ(荻窪)

夕方大雨が降ったが,上司との面接も無事終えて,補佐と立ち話をしているうちに雨も上がったので,荻窪まで歩いていく.
お通しはいつものごま豆腐に,じゃこ豆腐,秋刀魚の塩焼,肉じゃがすきやき風.
最初は小左衛門を推薦してもらったが,ほのかに良い吟香がして,口当たりが良く品が良い甘味があり,あとから酸がおだやかに効いてきて,こういうタイプのお酒が好きな人には結構よいと思う.少し飲んだところで,いきなりK馬氏がミニかんすけを持ってきて,燗酒三昧.十四代と磯自慢を飲ませてもらうが,なかなかおいしい.K馬氏によると,このような華やかなタイプの日本酒をお燗して美味しく呑むためには温度が重要で,赤外線温度計を取り出して35℃くらいになった時に呑むように指示された.温度の変化に応じて利いてみると,やはり体温より微妙に低い温度あたりが,過度に甘さが強調されず,酸とのバランスが取れて一番よい.このおかげで「これがこういうタイプのお酒のお燗の呑み方か!」と開眼した.開運(たぶん静岡のお酒一般に適用できそう)などもこの呑み方が良いらしい.そこで,他に同様な酒を教えてくれと頼んで教えてもらったのが,雪の茅舎と長珍.雪の茅舎は2006年全国純米酒燗評会で一位になった酒らしく,長珍は無濾過生原酒系であるものの,やはり甘さがあるので似たような感じだった.つまり,お燗と一口に言っても,しっかり熟成させた純米酒系,無濾過純米生原酒系,(お燗用にかなり辛目に造った)にごり酒系,華やかな純米吟醸酒系があり,それぞれ違った旨さの引き出し方があるのだ.
他に,カウンターの横に「阪神タイガース」と「そのまんま東妻泉」という珍しい焼酎があったので,ラベルを見ていたら,店員がこれはサービス用ですからと言って「そのまんま東妻泉」を1杯呑ませてくれた.これは商品名の通り宮崎・東国原知事を応援するために造られた焼酎で,醸造した蔵はNHKの連続テレビ小説わかば」の舞台になった京屋酒造.紅寿というサツマイモのせいか,かなり甘目の華やかな味だが,こういう味が好きな人は一度呑んでみるといいかも.

  • 小左衛門 特別純米 ひやおろし 富山産五百万石(55%) 製造年月2007年9月(岐阜・中島醸造株式会社)冷や
  • 十四代 中取り純米吟醸 備前雄町(山形・高木酒造株式会社)燗
  • 磯自慢 純米吟醸(静岡・磯自慢酒造株式会社)燗
  • 雪の茅舎 山廃純米 吟の精(65%)(秋田・株式会社齋彌酒造店)燗
  • 長珍 純米吟醸生原酒 無濾過 兵庫県山田錦(50%)(愛知・長珍酒造株式会社)燗
  • そのまんま東妻泉 紅寿 黒麹(宮崎・京屋酒造有限会社)

帰りも歩いて帰ったので,今日は二万歩越えを達成.