カイ燗(吉祥寺)

大塚屋の京子氏の2008年3月15日の日記に,「燗酒不毛地帯」(by 大塚屋京子氏)と呼ばれている(笑)吉祥寺に,ついに燗酒専門!のお店が開店したという素晴らしい報告があったのだが,引越で忙しくて見逃していた.これは教え子(?)としては,ぜひ行かねばなるまい…と,体調がいま一つなのをいいことに,会社を早目(と言っても20:00頃)に退社して,さっそく行ってみた.行き方としては,京子氏のブログに書かれているが,JR吉祥寺駅の北側に出て,線路沿いに進むと,派出所→横断歩道→新星堂土間土間(居酒屋)とくるので,ここで左側を見ると,ソウカイ薬局という非常に怪しい薬局があるので,そこの路地を入って北に進むと,次の交差路の手前で左側に次のようなのれんを発見するはずだ.これをくぐって二階に上がると,そこに「カイ燗」があった.

店内は,木のカウンターがある細長い作りでなかなか雰囲気が良く,そのカウンターの上にずらっと純米酒の一升瓶が並べられている.この他にも店主の背後にある業務用冷蔵庫の中に結構入っている.メニューに掲載されているお酒は一部のようなので,カウンターの上や背後の冷蔵庫にも鋭く目を光らせるべし.なお,その品揃えをみて,思わず笑いが…というのは,「燗酒好き,熟成酒好き,自称変態酒好きのマスター」と京子氏の日記に書かれているものの,これは明らかに京子氏の好みそのままだからである(爆)その証拠に,メニューの下側に「協力:大塚屋酒店」と印刷されていた.つまり,変態酒クイーンの厳選ラインナップの店なので,期待度が高い.実際呑んだ酒も以下の通りだし,なんと呑む人を極端に選ぶ(=ほとんどの人が呑めない(爆))発芽玄米酒の「むすひ」すらある.マスターは,「最近ビオロジックブームだから,こういう酒でもそういうものだと思っちゃうんですよ」と言っていたが,それは絶対違うと思う(爆)当然,かんすけに錫のチロリでお燗してくれる.純米酒中心だが,ビールやワイン,焼酎も置いているようだ.京都には,こういう日本酒バーが多いのだが,東京では珍しいかもしれない.

  • 日置桜 山笑ふ 其の弐 拾参年自然沈滓がらみ 5BY玉栄(60%)純米酒25%・16BY山田錦・玉栄(55%)純米酒75%(鳥取・有限会社山根酒造場)燗
  • 花垣 純米五年古酒(福井・有限会社南部酒造場)燗
  • 田中農場 純米 山田錦(70%)(鳥取・有限会社田中農場)燗
  • 鷹勇 山廃純米 山田錦:40%・玉栄:60%(60%) 協会7号(鳥取・大谷酒造株式会社)燗

料理の方は,お通しはアピオスを焼いたものをバジルと塩で,他にれんこんたらこ和えと,いかのおにわた焼きを頼む.いかのおにわた焼きは結構よかったと思う.他にも,かなりの種類の料理が黒板に書かれていたし,「単なる日本酒バーにはしたくないんです」,「一次会から使ってもらいたい」と言っていたので,今後の料理の充実も期待できると思う.
店主は,私見ではウルフルズトータス松本似である.ただ,若い店主で開店後一週間なので,かんすけを充分に使いこなしているとは言いがたかったり,まだまだ努力の余地があるとは思うが,なにしろ「燗酒不毛地帯」(by 大塚屋京子氏)に生まれた貴重な店なので,この火を消したくないみなさんは,ぜひ通ってこの店を育ててあげて頂きたい.なお営業時間は18:00〜1:00,定休日はしばらくは不定で客の入りを見て決めるとのこと.このブログを見ている燗酒ファンが何人いるかはわからないけど,よろしく頼むよ.