ワイングラスと日本酒
ayayaが「だから、なんで日本酒がワインのまねしないといけないの?わけわかんないよ」と批判していたのが次の記事.
利き酒改めテイスティング 器代えれば日本酒変わる?(asahi.com)
器が違えば洋食にあって若者が飲み、海外にも売れるという算段だ。
確かにこれを見ると「単なる馬鹿」(爆)という感じがするが,毎日新聞の記事を見ると,実は日本酒の香りと味をより味わえるようにするのが理由で,かなり論調が違う.実は私はこちらの意見には大賛成だ.
“ワイングラスでおいしい”日本酒アワード:上品な味「田恵」、最高金賞 /山形(毎日新聞)
アワード事務局は「日本酒をワイングラスで飲むと、香りが高くなり、渋みや酸味より甘みを強く感じる」としており「グラスで飲むことで、洋食店でも提供してもらえるし、若い人も日本酒への敷居が低くなる」と期待している。
ワイングラス(のような酒器)で日本酒を味わうと,次のような利点がある.
- 日本酒の香りが閉じ込められて,しっかり嗅ぐことができる.
- 空気と触れ合う面積が広く,注ぐ時にも空気と触れ合うので,日本古来の酒器より早く味が開く.
- 日本古来の酒器よりも,表面積が広いので,早く飲用適温に達しやすい.それに伴い,甘味が出てきて,渋味が減り,バランスが良くなる.
私は以前にワイングラスで有名なリーデルの大吟醸グラスが2000年に発売された時に,すぐ複数個買って,自宅や居酒屋で使っていた.このグラスが優れていたのは,次のような点だった.
- 大吟醸は臭すぎて飲めない(爆)
- すぐ味が開くので,駄目な酒はすぐ馬脚を表す(爆)
この記事でもコメントされているように,ワイングラスのような容量があり先端はすぼまった酒器は,控え目でもよい匂いをもち,味が開いた状態の日本酒を容易に判別できるようになる.
「くどくない香りと穏やかな味わいが評価されたのでは。よくよく飲むと上品な味が広がりワイングラスで飲むのに向いている」
「井のなか」の工藤氏はリーデルは容積が大きすぎると批評していて,名前と違って実は純米酒向きだったと思うが,駄目な日本酒発見装置としてはよいと思う(爆)
結局,日本古来の酒器は冷や(常温)と燗用にデザインされているので,冷蔵庫で保存して冷酒として飲ませるスタイルの飲食店はそれなりの配慮はすべきではないか.
足付きワイングラスは難しいだろうが,リーデルでも足がないオーシリーズが開発され,最近では黒龍の酒グラスのように安価で取り扱いやすい製品も出て来て選択肢が増えているので,そろそろ現実的な話になってきてると思っている.
リーデル(RIEDEL)リーデル・オー 大吟醸オー 酒テイスター/オー・トゥー・ゴー ホワイトワイン(チューブ缶入)
- 出版社/メーカー: Riedel (リーデル)
- メディア: ホーム&キッチン
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