第7回「酒べ会」〜蔵人と叫べ〜三重錦(東伏見・居酒家べっしゃん)

今日は忍者の里「伊賀上野」で日本酒を造っている中井酒造場の中井昌平氏を招いての酒べ会.プロボクサーでもあっただけあり,とにかく外見がゴツイ(笑)現在の生産量は80石.それで大丈夫か?と聞いたら,以前は生産量を増やしたこともあるが,一人で品質を保つためにはこの程度が限界らしい.副業としてボクシングジムを経営していて,それと合わせるとなんとかなっているそうだ.

料理は,もつ煮に,おまかせパレット(くじらのベーコン,沢庵,チーズ,鮪角煮,チャーシュー,牡蠣の薫製,ウニ,イカの塩辛,地鶏のササミ),おにぎり.今日は中井氏から「酒に合わせて味が濃い肴を」という注文を受けたらしく,いつもは刺身類がメインのパレットが珍しく茶色に(笑)

この日のお酒は以下の通り.三重錦は「常温で旨い酒」,「上立ち香よりも含み香」という方針で造られている酒で,冷酒では純米吟醸雄町,純米吟醸斗瓶取り,山廃純米,百代の過客が,お燗では純米吟醸雄町,山廃純米,百代の過客が良く,最後は山廃ばかり呑んでいた.なお,本人は火入れが好きらしいが,関東地方の過度な生酒信仰のためかなかなか売れず,生で出張費を稼いでいるらしい.そのために協会9号酵母もほとんど使わないそうだ.山廃には「硝酸カリウム無添加」と書いてある.生酛系酒母では,まず最初に硝酸還元菌が増殖することで殺菌するのだが,日本では硝酸還元菌が含まれている地下水が産出する場所が少なく(灘と広島の西条とか),普通は代わりに硝酸カリウムを添加することが多いとか.それなのに,「生酛系は何も添加しない自然の酒」という誤解があるので,わざわざ書いているそうだ.味としては添加しない方がすっきりした感じになるらしい.
その日は,ここにはとても掛けない辛口トークが爆発していたが(爆),中井氏の日本酒の好みは,しっかりしているが,強すぎない所にあるようだ.最近はスコッチにハマっているそうで,スコッチのような熟成酒を出したいそうで楽しみだ.

  1. 三重錦 3号うすにごり純米生 雄山錦(麹米:60%・掛米:65%) K-701(三重・中井仁平酒造場)
  2. 三重錦 2号須弥酒(すみさけ) ひやおろし 生詰 八反錦(麹米:60%・掛米:65%) K-701(三重・中井仁平酒造場)
  3. 三重錦 純米吟醸 雄町(50%) MK-1 18BY 製造年月21年9月(三重・中井仁平酒造場)
  4. 三重錦 純米吟醸 経過簿ラベル 中取り 雄町(50%) MK-1 18BY 製造年月21年9月(三重・中井仁平酒造場)
  5. 三重錦 純米吟醸 斗瓶取り 二引き 麹米:伊賀山田錦・掛米:八反錦(50%) MK-1 18BY(三重・中井仁平酒造場)
  6. 三重錦 山廃純米 八反錦(65%) K-701 硝酸カリウム無添加 18BY 製造年月21年9月(三重・中井仁平酒造場)
  7. 三重錦 純米 神の穂 生 三重酒18号 神の穂(60%) K-601(三重・中井仁平酒造場)
  8. 三重錦 百代の過客 純米吟醸 古酒 貯蔵タンク41号 伊賀山田錦(50%) H2BY(三重・中井仁平酒造場)

なお,この日は仕込み水を持って来てもらったのだが,その忍者のイラストがなかなかかわいい(笑)地元の伊賀を愛し,三重錦を「伊賀の酒」として売って行きたいからだそうである.