私はこれでおサイフケータイをやめました

mrkn氏からコメントで面白い突っ込みがあったが,実は私はおサイフケータイを発売日に購入して使っていたのである.今も使える機種を二台所有しているが,使っていない.なぜ使うのをやめたのか?…その理由を書いてみよう.

  • 結局,サービスを一本化できなかった.やはり,乗り換えコストの問題からか,サポートするのは少数の大企業に限られ,結局持っているカード数を劇的に減らせるという主張は夢に終わった.
  • サポートできるサービス数が少なかった.それにICカードの制限と,アプリ収録数の制限から,サポートできるサービス数がそもそも少ない.なにしろ,アプリも必要になるので,すでにダウンロードしたゲームアプリを泣く泣く消したりしていた.
  • 結局カードも捨てられなかった.たとえば,大規模店舗ではレジの一部にしかリーダーを置かないなど,カードも持ち歩かねばならないのでは,あまり意味がなかった.
  • 余計なお金が掛かってしまった.たとえば,アプリのダウンロードや起動時の通信,事務手続きや入っている金額の保証などに余計な金額が掛かり,金銭的にはかなりマイナスだった.
  • 携帯電話の寿命が短くなる可能性が指摘されていた.尊敬するS藤I郎教授の日記の情報によると,本来Felicaは非接触で動作するのだが,その動作を確実にするために「タッチ・アンド・ゴー」という宣伝をしてしまい,その衝撃を完全に解消できなかったので,ハードウェア寿命が短くなる問題が指摘していた.まあ,これは利用者側が意識していれば大丈夫かな.
  • ICと携帯電話が切り離せなかった.そのために,新しいサービスが出た時に旧おサイフケータイが対応できず,買い替えを迫られてしまう.普通のカードタイプなら交換が必要ないとか無料なのに,なんですぐ自己負担でケータイを買い換えねばならないの?.
  • 機種交換時にすぐ乗り換えられなかった.実は携帯を水没させてしまったのだが,その時にICカードの移行手続きがすぐ手続きできず,有償だった.ドコモショップのお姉さんには,あまり使わない方がいいというニュアンスで「残額が少なかったら,諦めた方が懸命です」と言われてしまった.今はiCお引っこしサービスがあるから,大丈夫になった?
  • セキュリティホールが結構残っていて,すべてが解決されていない.結局,問題がいろいろあるので,自己責任で使ってね…というのが現状だろう.
  • そもそも,日本のケータイにろくなものがなくなってしまった.尊敬するS藤I郎教授が日記で書いているように,今は日本はケータイ後進国になりつつある.世界で何がおこっているのか?なにが「アタリマエ」なのか?を知るためには,世界で戦って勝利しているメーカーのケータイを使わないとわからない.世界で敗退して,加入者一人あたりの利用料金(Average Revenue Per User,ARPU)を守るためにガラパゴス政策(鎖国して,ユーザ負担の上で過度な機能やサービスを押し付けてARPUを維持すること)を取っていることで青息吐息で生き残っている日本のメーカーのケータイはユーザにとって最適な進化をしていない.特に,コンピュータ関係者は,一度は世界のレベルに触れることを勧めたい(ただし,そもそもの利用モデルが違うので,本気で使い方を切り替えるつもりでやってから判断して欲しい).
  • 結局,少額決済サービスとしてはSuicaの一人勝ちになってしまった.最近特に東京近辺ではSuicaを持っていればいい.今はICカードとしてはSuicaANAマイレージカード(Edy付き)を薄い札入れに入れて持ち歩いている.こちらの方がコンパクトだし,サービス変更時にも無料で交換してくれるし,紛失リスクも分散できるといいことづくめだった.どちらかをクレジットカードにしたいと思っているのだが,それはまだ思案中である.

というわけで,おサイフケータイを今使っている人も,一度真面目に自分の利用パターンを分析して,使い続けるかを考え直してみてはどうだろうか?高度な使い方をしなければ,普通のカードタイプを使う方が安全&低コスト&便利かもよ.どう?>mrkn氏