二升ガールズ第5回集会「恋するイケメン蔵人岡田くんの会」(松の屋・新宿二丁目)

今回は,板倉酒造の蔵人,そして「天穏のイケメン蔵人」としてその名を広く知られる(?)岡田唯寛(おかだ ただひろ)氏を招いての「天穏」の酒の会.大塚屋の京子氏は,以前からるみちゃんが「七本槍」を熱く語ると「るみさんは若いイケメンに弱いから…」と笑っていたのだが,そういう彼女も実はかなりの若いイケメン好き?!そして,その一番の隠し球が岡田氏なのである.岡田氏は以前は小学校の先生だったという変わり種(最近多い)で,それほど日本酒にこだわりがなかった彼を変えてしまったのが日本酒好きの校長に呑まされた同じ島根の「開春」だったらしい.これもまさに「CHANGE」である(笑)なお彼が注目されているのは,天穏の長崎杜氏の下で,いきなり初年度の造りから麹管理をまかさせるなど,若いにもかかわらず酒造りにどっぷり関わっていることである.彼とは昨年荻窪の十一で一緒に呑んでいるが,その時は「口ひげのないフレディ・マーキュリー」と書いていた(笑).
この日,店にたどり着くと,前回と同様びっくり!今回はなんとカラーでさらに素敵なイラスト(るみちゃん曰く「秘蔵のカレンダーから切り取った」らしい)なのである.とにかく,立ち止まってじっと見ていく人多し!やはり,若いイケメンだとるみちゃんと京子氏の気合いの入り方が違うのが,この時点ですでにひしひしと感じられた(笑).なお,理系のみなさんは「恋するイケメン」なのに,「彼女募集中」(新宿二丁目だから,単に「恋人」の方がよかったか?(爆))なのは論理的に矛盾していると指摘するだろうが,これはるみちゃんがタイトルを考えた時と,現在で時間差が生じたからということでご容赦して頂きたい.個人的には,「恋の早沸き注意!」がツボ(笑…さすがるみちゃん!)

さて,当日のお酒は以下の通りで,さらに出雲北山山系の天穏の仕込み水を頂いた.

  • 天穏 純米大吟醸 無濾過生原酒 奥出雲産佐香錦(50%) 島根K-1 19BY(島根・板倉酒造有限会社)冷や
  • 天穏 瓶燗 純米にごり 島根県産五百万石(65%) 協会9号 19BY(島根・板倉酒造有限会社)燗
  • 天穏 純米吟醸 無濾過中汲み 改良雄町(55%) 18BY(島根・板倉酒造有限会社)燗
  • 天穏 純米吟醸 馨 無濾過中汲み火入れ 奥出雲産佐香錦(55%) 島根K-1 18BY(島根・板倉酒造有限会社)燗
  • 天穏 純米吟醸 無濾過中汲み火入れ 奥出雲産佐香錦(55%) 島根K-1 17BY(島根・板倉酒造有限会社)燗
  • 天穏 純米吟醸 無濾過中汲み火入れ 奥出雲産佐香錦(45%) 島根K-1 16BY(島根・板倉酒造有限会社)燗
  • 天穏 攻め純米 奥出雲佐香錦・改良雄町(精米歩合45〜55%) 島根K-1 18BY(島根・板倉酒造有限会社)燗
  • 天穏 純米大吟醸 山田錦(35%) 12BY(島根・板倉酒造有限会社)冷や・燗(岡田氏秘蔵酒)

前回彼と話をした時との大きな違いは,今回は彼の意思が強く感じられたことである.基本的に天穏は最初は渋くて硬く,熟成により旨さを引き出す酒であり,それは前回会った時には粕歩合が高いからじゃないかなという説明をされたが,今回会った時には粕歩合を低くしたいと発言していた.これは一つは経済的な理由(粕歩合を低くすれば,それだけ多くの酒が取れる)もあるが,もう一つは彼の目指す味に近づけるため(たとえば,あの竹鶴の石川杜氏は徹底的に米を溶かす派である)のようである.それは19BYからの「中汲み廃止」と,「まずい責めを作りたい」という発言からもわかる.要するに,普通の純米・純米吟醸を中汲みだけにしないことで,より味がある酒とし,さらに責めは,できる限り「ニガシブ」で「まずく」(本当にまずいわけではなく,「美味しい・口当たりがよい・飲みやすい」よりも「呑みごたえがある・旨い」酒ということであろう)造る…そして万が一美味しくできちゃった場合には責めとして出荷しない.天穏では「責め」を意図的に「攻め」と呼んでいるが,まさに言葉通りのチャレンジと言えよう.なお,にごり酒だけは島根K-1でなく協会9号にしたそうだが,これはあっさりした味の五百万石がもうちょっと味が出るように…という感じのようで,一番最初に呑んだ時もまだ正式出荷するかわからないという但し書き付きだったし,他の試みほどのこだわりはなかったように感じられた.
当日の料理は,ざる豆腐,ホタテとネギの辛味あえ,厚揚げ・ざっと焼いたの,エビとアボガドのクリームソース,焼き物いろいろ,鶏のあんかけ飯・温玉添えで.エビとアボガドのクリームソースは,非常に美味しいと思ったのだが,しーちゃんはまだ完成度に納得していなかったらしい.鶏のあんかけ飯は,しーちゃんが出て来て「多かった?ごめんね.」と言ったくらい量がたっぷりあったが,温玉をまぜまぜすると激ウマで,みんなで残さずに食べてしまった.さすが,しーちゃんである.
なお,当日非常に面白かったのは,大塚屋の京子氏がいろいろな呼ばれ方をされていたこと.すでに「(変態酒)クイーン」(by 私),「笑って人を刺すタイプ」(by (京子氏曰く)上石神井・作の橋本氏)などと言われていたのだが,当日は他にも「ダーククイーン」(詠み人知らず…ayaya?),「京子は強固」(by (京子氏曰く)日置桜・ダンディ山根社長),「恐怖の恐子(京子)ちゃん」(by 天穏・イケメン岡田氏,「秘密のアッコちゃん」という感じでかわいく呼んで欲しい)など.真面目でやさしくて気が利いて面倒見が良い素敵な女性なのに,なんで…と思うが,そう言えば「…は,大手蔵にしてはまともですね」と失言すると「あれは炭臭がします」ときっぱり言われたり,メールで「でも、着け香した炭濾過バリバリのアル添酒の「抹殺」・・・、くらいは考えているかも。(笑)」などと発言したり,作り手,飲み手ともに彼女がゴッドマザーのような偉大な存在であることを本能的に察知しているからかもしれない(…と書くと,また京子氏から…(爆))