吉村秀雄商店(岩出市畑毛)

早起きして京都烏丸駅から和歌山駅まで一気に戻り,「都海乃小舟」の舟頭と常連達と合流して,車坂の「吉村秀雄商店」の蔵開きに参加.

広大な敷地,見事に手入れされた庭園,広い大広間など,酒蔵がその地域の名家だったことを伺わせる,見事な所だった.
蔵の中では,お酒当てクイズと,27種類のお酒,2種類の込め焼酎,67種類のリキュール(梅酒とじゃばら)の試飲をおこなっていた.
なお,安村勝彦社長と藤田晶子杜氏とお会いして,いろいろお話することができたので,ポイントをメモしておく.

  • 来年が酒蔵ができてから100周年である.
  • 藤田杜氏を迎えて,酒蔵の設備をどんどん作り直している.まず麹室・酒母場の新設と地下貯蔵庫の整備から初めて,今年は瓶詰ラインを一新している.それに伴って,タンク貯蔵から瓶貯蔵に切り替える予定だ.
  • 新しい杜氏には,酒質を一気には変えるなと指示しているが,酸度は今までより明らかに高くなっている.
  • 次の造りでは,純米酒純米大吟醸の山廃を新たに作る予定である.
  • 今回の造りで杜氏が一番力が入れたのが,五百万石・7号酵母の車坂 純米酒(日本酒度+4,酸度2.3,アミノ酸度1.7)だ.これが「吉村秀雄商店」そして藤田杜氏の新しい味になるのだろう.試飲用には用意されていたが,熟成させるために,しばらくは販売しないらしい.私的には2番目の評価だが,まだ若すぎる感じなので,本格的に評価できるのは夏が過ぎてからだろう.
  • 試飲した時に1番目に気に入ったタンクNo. 445 和歌山玉栄(日本酒度+4,酸度1.5,アミノ酸度1.2)について聞いてみたら,藤田杜氏は玉栄を扱うのが初めてで,まだ思い通りにはできないと謙遜していたが,かなりポテンシャルが高いと思う.

私が期待している新しい酒が,公にお披露目されるまではしばらく時間が掛かりそうだが,新しい杜氏によって素晴らしい日本酒が生まれそうで楽しみだ.