遊穂の会(松の屋・新宿二丁目)
夕方から,「松の屋」で「遊穂の会」.他で行われている無濾過生原酒中心の「遊穂の会」と違って,今回は熟成と燗をテーマとした火入れ酒中心の会だ.
今回は普段お酒の会に来ている藤田美穂蔵元だけでなく,横道俊昭杜氏も招くという豪華っぷり,
今回の料理は以下の通り.
- ざる豆腐
- トマトときゅうりと水なす そのままで
- 焼き鳥 いろいろ
- つみれとわけぎの春雨鍋.出汁が肴になる素敵な鍋だ.さすが,しーちゃん!
- うなぎのひつまぶしな炊きこみご飯
- 遊穂 純米吟醸 山田錦・美山錦55 麹米:兵庫県黒田庄産山田錦(55%)・掛米:長野県上伊那郡飯島町産美山錦(55%) 日本酒度+6 酸度1.8? アルコール分16.5 21BY(石川・御祖酒造株式会社)
- 横道杜氏は本当はこういうちゃんと熟成した火入れ純米酒を中心に造りたいらしく,この会ではとても活き活きしていた.しかし,会社の財政を心配しなければいけない藤田蔵元曰く「あまり横道を焚き付けないでください…」(爆)
- 「ほまれ」の純米酒は,地元向けに造ってはみたが,熟成で色づいたために売り物にならなかったお酒らしい.なんと,石川県では,色がついたお酒が売れないらしい!.私はこのお酒はちょうど良く熟成され,冷やでも燗でもなかなかイケルと思うのだが….ちなみに,この日のお酒では山おろし純米18BYの次に好きなお酒だった.
- 「遊穂」の純米酒は18BYの方が熟成されているが,22BYの方が冷やでも燗でも美味しいバランスの良さがあると思う.この純米酒は遊穂のスタンダードだと思う.
- 横道杜氏曰く「遊穂は熟成が遅い(酒蔵泣かせの)お酒だ」らしい,山おろし純米を比較してみると18BYは美味しいが,19BYはまだ若さと渋さが感じられたのが,そういうことだろうか?
- 純米吟醸は,「ほまれ」が掛米に五百万石を使うのに対して,「遊穂」が美山錦を使うという違いがある.私は「ほまれ」の方が落ち着いた旨さがあって好きかな.
- 御祖酒造は,今までモーターで酛摺りをする秋田式生酛をおこなってきたが,ついに櫂を使って人手で酛摺りをする生酛造りを始めた.なお,今回はプラスチックの半切桶らしい.残念なのは,今回はすべて無濾過生原酒で売り切ってしまったこと.かなり割水しても非常に酸っぱくて,お燗しても生っぽさが残るので,これは熟成が必要だろうし,実際に常温熟成している店もあるそうだ.確かに,とにかく「無濾過生原酒」を欲しがる酒屋が多くて苦労するのだろうけど,秋田式生酛だからと「山おろし」を名乗って来た御祖酒造が満を喫して出す「生酛」なのだから,次は生産量を増やして火入れ&熟成で本来のポテンシャルを存分に引き出してほしい.まだ一本手に入れば,自分で火入れ・熟成しちゃおうかな….
- 横道杜氏によると,生酛と山廃の違いは水分の量(生酛は少なく,山廃は多い)にあるらしい.それが味の違いに繋がるのか?
- 横道杜氏からは,竹鶴酒造の石川杜氏の名前が頻繁に出てきたので,石川杜氏の生酛造りを参考にしているのかもしれない.
- 横道杜氏によると,自社の蔵付き酵母を知りたくて,試しに酵母無添加も一タンク仕込んだそうである.これもすごく楽しみだ.
- 御祖酒造が使う酵母は,協会9号と熊本9号の泡ありがほとんどらしい.なお,金沢酵母に関しては,酸が低く,アルコール耐性が低いために使わないらしい.
最後にじゃんけん大会があって,前掛けにしようかと悩んだが,ギャンブルで袋に入った商品にしてみたら暗闇で光るエイリアン人形入りのスライム「SPACE OIL」が当たった(爆)
さらに,「松の屋」のみなさんからは,次のような嬉しい誕生日プレゼントを頂いた.これは以前に造ったお酒で,吉祥寺・荻窪の「ひまり屋」が在庫を沢山持っているが,蔵には四合瓶があと少ししか残っていない.これは,今度のお酒の会で開けようとるみちゃんに預けておいたので,みなさん楽しみにして欲しい.